世の中には幾多の企業が存在しており、日々活動を行っています。企業というと、建物として目に見えるオフィスを思い浮かべる方も多いと思いますが、企業の定義とはなんでしょうか。
企業(きぎょう、英: business )とは、営利を目的として一定の計画に従って経済活動を行う経済主体(経済単位)である。社会的企業を区別するために営利企業とも言う。家計・政府と並ぶ経済主体の一つ。(Wikipediaより引用)
つまり、利益を出すことを目的として活動するのが企業ということですね。
そして、実は企業が今後稼ぎ出せる利益を予測することで、その企業自体の値段を算定することができます。これが、企業価値評価(バリュエーション)です。では、なんのためにそんなことをするのでしょうか。
企業価値評価をする意義・目的
資本主義社会では様々な利害が絡み合って日々の活動が行われています。企業が資金を調達するために株式を発行するためには自分の会社が将来有望だということをアピールして株を買ってもらわなければいけませんし、ある会社が別の会社を買収する際には適正な値段を算出してM&Aを行う必要があります。こういったときに必須なのが企業価値評価(バリュエーション)なのです。
バリュエーションには大きく4つの目的があります。
です。
戦略策定のためのバリュエーション
企業は日々、ほかの企業よりも利益を上げようと奮闘しています。これをより効率的に行うには、現在の自社がどれだけ価値のある事業を行っていて、どこを改善することでさらなる飛躍が期待できるかを考える必要があります。
受験勉強では、模試を受けて自分の現在地を確認し、苦手なところはどこかを突き止め、そこを重点的に勉強しますよね?同じことを企業もやる必要があるのです。そして、これは組織が大きくなればなるほど実行が難しくなりがちです。
また、投資家向けに自社の展望なんかをアピールするためにも、この作業が必要になります。
M&Aのためのバリュエーション
先ほども書きましたが、買収の際には適正な価格で買えるかどうかが最重要ポイントです。まず適正な価格を算定し、そこにさらに自社とのシナジーを見込んでプレミアムをどれだけのっけるか、どう交渉するかを考えることになります。ここで前提の企業価値が不正確だと、きちんとした議論ができず買収が不成立になったり、高すぎる価格を支払ってしまったりします。
資本市場取引のためのバリュエーション
企業が株式上場(IPO)をする際、株式の価格を決めるために企業価値を算定する必要があります。ここで納得感のある値付けができないと資金調達がうまくいかないので企業にとっては大変重要になります。
株式投資のためのバリュエーション
証券アナリストは定期的に企業のレポートをかく業務を行っています。アナリスト自身が企業の価値を算出し、市場価格と比較して安いか高いかを発表し、それをうけて投資家は売りなのか買いなのかを判断します。
バリュエーションの手法
バリュエーションには様々な手法がありますが、いくつかメジャーな手法をまとめて紹介します。
市場株価法
過去一定期間の自社の株価を平均し、企業価値を求める方法です。
収益還元法
将来の収益を予測し、現在価値に割り引いて足し合わせる方法です。将来の収益予測は不確定要素が多いため、様々な手法が実務では使われています。
・DCF法
・エクイティフリーキャッシュフロー(EFCF)法
・割引EVA法
・残余利益法
・LBO法
マルチプル法
過去に取引された金額や市場が決めている株価をもとにバリュエーションする手法です。代表的なものは以下の2つです。
・類似会社比較法
・類似取引比較法
資産価値法
資産価値をもとに評価する方法です。代表的なものは以下の3つです。
・修正純資産
・清算価値
・再取得価値
以上が代表的なバリュエーションの手法になります。次回はこれらの手法をより詳しく紹介していきます。
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