猫好きの猫好きによる猫好きのための空間

猫好きの猫好きによる猫好きのための空間

CASHとは本当に貧テックなのか?ZOZOツケ払いと比較して考えてみた。

こんにちは。先日こんな記事を読みました。

novtan.hatenablog.com

この記事に書かれている主張は至極まっとうで、基本的には同意します。

一方で、消費者ってそんな馬鹿なの?って思ったりもしたので、今回はCASHを代表とするマイクロファイナンス事業の実例を紹介し、消費者はなぜこれらのサービスを使うのか、そしてCASHは貧テックと言えるのかを考察していきたいと思います。

f:id:totaltenbosslove:20170704164030p:plain

 

貧テックとは?

貧困とフィンテックを掛け合わせた造語で、おそらく金融をテクノロジーで便利にして貧困層からカネをむしりとるようなサービスのことを指しています。ちらっと調べたところこの意味に限らないのかもしれませんが、今回の記事では上記の意味で使うこととします。

消費者金融のような、お金がないからしかたなく高い金利でお金を借り、ますます財産を減らしていってしまうものをイメージしていただけると分かりやすいと思います。

貧テックにはどんなものがある?

あくまで主観ですが、貧テックの代表例をいくつかあげていきます。

ZOZOツケ払い

アパレル系EC最大手ZOZOTOWNを運営するスタートトゥディが提供している後払いサービスです。

54000円以下の買い物であれば、ツケ払い手数料324円を上乗せすることで支払いを2か月遅らせることができます。

クレジットカードつかえばいいじゃんという声も聞こえてきそうですが、クレジットカードを持っていない層(年齢的に持てない、または与信が足りない)もしくは限度額を超えてしまっている層には需要があるのかなと思います。 

CASH

最近話題になった、ノールック少額融資サービスです。融資の際には基本的には審査が必要なため、マイクロファイナンスでは成り立たないと思われていた貸付ビジネスを審査をほとんどしないという手法でマネタイズしたサービスとなっています。インターネット質屋さんというイメージでしょうか。金利は2か月で15パーセントという消費者金融もびっくりの高さです。

リリース当初の反響はすさまじく、ローンチ1日目で総融資額は3.6億円にのぼり現在サービス休止中です。

newspicks.com

お金を返すか商品を送るかを選べるのですが、画像認識が機能していないのでカテゴリーでアイフォンを選ぶとつかった後のティッシュを写真で撮っても2万円の査定結果が出るなど、がばがばの状態でのスタートでした。結果、ごみが大量に送られバンク社からは大量のキャッシュが出ていきました。

こんなんビジネスとして成り立つわけないと思っていましたが、開示されたデータを見ると9割弱の人がお金を返す方を選択しており、単純に3.6億の9割が15パーセントの金利をつけて帰ってくるのであれば残りの1割のアイテムが期待値の半額程度になるとしても意外と何とかなる可能性はありますね。ほかに手数料収入もあるので。

ま、悪いこと考える人が増えるでしょうから今のままではだめでしょうが。

Payday

毎日を給料日に!といううたい文句でリリース予定の給料の前借サービスですね。

受け取ったお金は金利をつけてきっちり給料日に返さなければいけないようです。

payday365.jp

単純な疑問

これらのサービスを見て思ったのは、そもそもこんなサービスいる??というものでした。少なくともお金が手元にあるか、クレジットカードを使える人であればこれらのサービスは必要ないですよね。

totaltenbosslove.hatenablog.com

ZOZOの社長の前澤さんは個人的にはとてもステキな考え方をお持ちの方だと思っているので崇高な理念のもとにこういったサービスを展開しているのでしょう。自身がお金がない時に洋服を変えなかった悲しさからツケ払いを始めたというストーリーづけも完璧です。

一方で、CASHやPaydayは本当にいるんでしょうか?

クレジットカードを持っていれば済む話だと思うので、クレジットカードを持てない人が多い、もしくはクレジットカードを嫌う風潮があるという仮定を置いてみました。

そもそも日本ではどの程度クレジットカードが普及しているのか?

JCBが3500人を対象に調査した20代~60代のクレジットカード保有率は84.2%であり、働いている人でクレジットカードをもっていない人は16%程度という結果になっています。

厚生労働省が2014年7月にまとめた「国民生活基礎調査」によると、等価可処分所得の中央値の半分の額に当たる「貧困線」(2012年は122万円)に満たない世帯の割合を示す「相対的貧困率」は16.1%となっています。これは世帯の割合なので少し値にずれがあるかもしれませんが、相対的貧困層はクレジットカードを持っていないのかもしれないですね。ここまでは予想通りです。

www.nippon.com

この層はやむにやまれずこのようなサービスを利用するのかもしれませんね。

ただ、消費者金融でも年率18パーセントとかなので、金利はしっかり把握して利用したほうがいいですね。

若者を食い物にしている?

ZOZOツケ払いはもともと若者に人気のZOZOTOWNで利用できるサービスなので、若年層の利用が多いと予想できます。

CASHも日中にリリースされたにもかかわらず1日で利用者が殺到してパンクしたことを考えると、主な利用者は平日でも時間がある学生なのだと思います。

Paydayはまだリリースしていないですが、やっぱり普通の会社員は使わないんじゃないんですかね。

物欲が旺盛で、手元のお金もリテラシーもない若者をメインターゲットとしていることは間違いないでしょう。

本当に必要なサービスなのか?

いままで対応できなかった少額の融資ニーズにテクノロジーで対応したという主張が見受けられるペイメント業界ですが、これは本当にニーズと言えるのでしょうか?

たとえば、借金に手を出さない会社員にだってほしいものはたくさんあります。ゴルフセットや車、時計などなど、挙げだしたらきりがありません。ですが、しっかりと将来のことを考えて、買うものを考えています。

ZOZOのツケ払いはまだ理解できます。アパレルはその性質上、いまお金が用意できないと売り切れてしまい、あとあと転売された高いものを買う羽目になるくらいなら、少額の手数料を支払って後払いにして買うニーズは確実に存在すると思います。

しかし、CASHは違います。人間というのは怠惰な生き物で、ほとんどの人は楽に金を稼ぎたい、働きたくないという欲求を抑えつつ生活を送っています。しかし、若者は自分を律しきれていません。その弱みに付け込み、若者の未来を奪うようなサービスはこの世に必要のないものだと思います。また、このようなサービスを賞賛するスタートアップ業界もいかがなものかと思います。

まとめ

CASHは若者の未来を奪い、将来の財産を食いつぶしてしまうという点で確実に貧テックだと思います。

とはいえ、このままではサービス再開や継続は難しいと思いますが。

せめて、今回の件で日本のマネーリテラシーが高まってくれることを願っています。