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まだ会社に雇われるのが幸せだと信じてるの?電車を止めた会社員から感じること

本日、衝撃的なニュースがTwitterやLINE、検索エンジンなどを駆け巡った。

 
「会社の大事な会議に遅れてはならない」

 

こう供述しているのは、今日の常磐線に最大1時間の遅れを計上し6万4千人に不要で多大な影響を与えた40歳の会社員である。この通勤ラッシュの時間帯に何があったのか。

 

12日午前8時ごろ、東京都足立区のJR常磐線綾瀬駅で、乗客がホームから転落した。駅の警備員が非常ボタンを押し、取手発明治神宮前行き上り普通列車(10両)が綾瀬駅の手前300メートル付近で停車した。その後、停車中の列車に乗っていた男性が線路上に降り、列車の運転手から連絡を受けた綾瀬駅員が男性を保護した。(産経ニュースより引用)

 

つまり、この男性は自分の会社の会議と6万4千人の1時間を天秤にかけた結果、前者を選んだのだ。

 

これは日本の会社の異常性を物語っている。おそらく彼は己の生活の大半を会社の業務にむしばまれているのだろう。仕事熱心なのはいいことだが、これでは自己中ならぬ、自社中だ。

 

このご時世、世界では成果主義が次々と導入されの一方で、日本の雇用体系は化石のごとく古く、年功序列の気がぬぐえない。大学に行って一流企業に勤めるのが親孝行とされ、新しいことをやろうとすると頭ごなしに否定される。こんな社会、おかしくないですか?

 

僕の親も小さいころから教育熱心で、いい大学に入っていい企業に入ることが幸せになる近道だと教えられてきた。僕は親から見ても先生から見てもいい子で、言われたとおりに勉強していたらテストでいい点が取れ、みんなから褒められた。しかしある時、ふと本当にこれでいいのか疑問に思った。中学受験でいいガッコに入って、毎朝満員電車に乗る生活を送っていると、たびたび人身事故で電車が止まった。そのころはまだ人身事故がどういうものなのかよくわかっておらず、待ち時間が長くていやだなあとか、授業に遅れても先生に怒られなくていいのってなんか変な気分だとかいう風にしか思っていなかった。

 

人身事故の多くは自殺だと知った時、僕は頭が真っ白になった。いままで自分が信じていたものはなんだったんだろう?仏陀の存在を否定された仏教徒のような気分だった。自殺した人たちはきっと会社のために身を粉にして働いていたのだろう。愛する家族のため、安定した給料を求め、理不尽な仕事量を泣き言ひとつ言わずこなした結果がこれじゃあ、報われなさすぎるよ。おそらく自殺した人の多くは親の期待に応えるため頑張っていい大学に入り、就職戦争を勝ち抜いて晴れて一流企業と言われているところに入ったのだろう。それが幸せなことだと教えられてきた彼らは現実から目を背け、親や友人の前では仕事を楽しんでいるかのように振る舞い思考停止をしていたのかもしれない。しかし身体にはキャパがある。いくら強がっても限界っていうものはあるんだよ。頑張っても報われない世界なんて、僕はくそくらえだ。自分の未来は自分で決める。

 

今日の会社員さんも昔は夢があったのだろうか。社会に身を投じていく過程で失くしてしまったのであれば、僕は必至に抗っていこうと思う。親孝行は、別の形でするよ。